透明な

そんな寂しさを泳げばいい

手足伸ばせば水は伸び縮む

掻いて、蹴って

水泡は北へ向かった

なけなしの空気を吐いて深くへ

冷えびえと流るる

鼓膜に水が詰まって

聞こえず

肺が痛み、空腹に水を飲み

そこに体があるを知る

眠ると水面に近付き

金色のきらきらが網模様

水はあかるく

冴えた指に触れる生が

いつまでもあるように

 

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【ひと】2015/5/17