魚が尾っぽを震わせて、グレイの床の上でじたばたと跳ねていた。
わたしはその澄んだ目を見つめる。死にたくないのか。
魚の目はただ凪いでいて、一瞬通じ合ったような錯覚をする。
銀の鱗が光り、やがて魚が死んだ。
死んだ魚の目は、濃いミルク色をしていた。
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【ひとみ】初稿:2012年春/修正:2014/09/28