万華鏡くるくる、遺棄された虹の欠片の労働場、見える景色は三千世界。

 

桜の虚ろが雨に濡れ、諸行無常を説いている。

波の面に天使の梯子、空から刺す、天の気まぐれ蜘蛛の糸。

赤青緑の木の実のたわわ、ひいふう数えた蔵の中。

白く染められ雪のこころを、無垢のうさぎが墨汚し、春を待て待て今夜も眠る。

雪、溶けて。

肉も露わな地面に光。

光射す、芽吹く、露を溜め、ふるえて、

桜の虚ろが雨に濡れる。

 

ぐるぐるりの、円の世界に。

 

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【巡る】2017/04/08