春のたのしさ、炬燵がいらなくなる陽気、冷水でする洗い物。

イースターのお祭り、花の香り、甘い風。

跳ね回って享楽から享楽に飛び移り、浮かれ騒いでいたい。

行為としての快楽。

浴びるように呑んで、ぐねぐねと赤いオーバーレイのかかった景色を眺めていたい。

行為としての快楽。

恥を知らないかのように、尻尾を振り回し手を叩いて笑いたい。

行為としての快楽。

 

朝の憂鬱、深夜の黒い幻覚が差し伸べる手を見ないふり。

シ、と短い言葉が連想される日を、なかったかのようにしてしまいたい。

強すぎるほどの薬で酩酊していたい。

 

空は晴れやか、水は澄み通り、脳の芯まで冴えてゆく。

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2017/04/15【春に酔う】